【スキル 1】「本」と「では」や「目的」を見つける

【練習 1】研究の目的はどこに書かれていますか。

1.はじめに
 本稿の目的は、近年の事業組織において水平的な調整メカニズムが組織内の調整活動にもたらす効果と、それに対して組織内の意識の分化が与える影響を検討することにある。
 部門間に水平的な関係を生み出す調整メカニズムは、1つの事業に携わる複数の人々を統合する手段として、これまで多くの組織において採用されてきた。統合担当者(リエゾン・オフィサー)や統合担当部門、人事異動などに加え、部門間を連結するような研究会やタスクフォース、さらに権限を持たせたプロジェクトチーム、ブランドマネジャー制度、マトリクス組織など、その具体的な手段は多岐にわたる。これらはいずれも公式的なヒエラルキー構造を補助する役割として、相互依存関係にある各部門を統合する機能を果たすことを期待されて設けられたものである。

(佐々木将人「水平的調整メカニズムと調整活動―組織の分化のマネジメント―」『日本経営学会』29,2012)

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